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こんにちは。今回は、前回の記事(【冬場の赤ちゃん】乾燥肌・乾燥性湿疹を治すには 〜Vol.1〜)の続きになります。
前回の記事では、”乳幼児の乾燥による肌荒れを治すには、正しい知識とケア方法を知る事が不可欠”とお伝えしました。
今回は赤ちゃんの皮膚についての基礎知識を、わかりやすくお伝えしたいと思います。
目次
赤ちゃんの皮膚のメカニズム
“生まれてからしばらくは黄色っぽくベタつき気味だったのに、気づいたら乾燥肌になっていた。。。”
“全体的には乾燥ぎみなのに、冬場でも汗かきで、あせもがある部分もあって、、、一体どうすればいいの??”
赤ちゃんのお肌は本当にデリケートで色々な症状が出るので、ママもそのたびに悩んでしまいがちです。
しかし、赤ちゃんの皮膚のメカニズムを知れば、こんな様々な症状にも納得がいくようになります。そして、現在お子様がどの段階にいるのかによって、どのように対処すればよいかもわかってきます。ここでは赤ちゃんの肌の変化について、出生後の時系列で、わかりやすく説明していきます。
【出生直後0日目】生まれた瞬間から、赤ちゃんの皮膚は劇的な環境変化を強いられる
赤ちゃんは、生まれる前はお母さんのお腹の中で羊水に包まれ、外の刺激から守られて育っていきます。しかしこの世に生まれ出た瞬間から、その環境は劇的に変化するのです。まず、赤ちゃんの皮膚を守っている厚い胎脂は24時間以内に自然にはがれ落ちていきます。つまり、生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚は外界からの刺激に対して、ほぼ無防備な状態にさらされてしまうのです。
【出生1日目〜3カ月目】皮脂分泌が盛んな時期
新生児期は一時的に性ホルモンが増加するため、皮脂分泌が盛んになり、乳児脂漏性皮膚炎などができるほど皮脂量が多くなります。
【出生4カ月目〜乳幼児期の終わりまで】生涯で最も皮脂分泌の少ない乾燥時期
生後4,5カ月を過ぎると性ホルモンの分泌が落ち着き、急激に皮脂量が減っていきます。ここから乳幼児期の終わりまでが、生涯で最も皮脂分泌の少ない =乾燥しやすい時期なのです。
なお、この時期少ないのは皮脂だけでなく、アミノ酸(角質細胞の天然保湿因子)やセラミド(角質層細胞間物質)なども同様に少ない状態なので、水分の保持量が少なく、皮膚は十分な保湿機能やバリア機能を果たせない状態です。
また、こういった身体機能的な要因以外に、よだれによるかぶれやおむつかぶれ等、赤ちゃんならではの環境的な要因も加わるため、生涯で最も皮脂分泌の少ない時期である乳幼児期には、大人以上にスキンケアをしっかりしてあげる必要があるのです。
乾燥肌・乳児湿疹・アトピー性皮膚炎・乾燥性湿疹の違いは?
ここまでで、乳幼児期の子どもにとって手厚い保湿がいかに重要か、ご理解頂けたかと思います。
ところで、このページをご覧になっている方はお子様の肌トラブルを多かれ少なかれ経験されているかと思いますが、
「病院に行くほどではないけれど、うちの子のこの症状って一体何ていう症状なのだろう?」
と思ったことはありませんか?
我が家では以前、息子の湿疹を病院で診察してもらった際「アトピー性」と言われましたが、絶対的に断言できるかというとそうではなく「一目見ただけでは「絶対にこの病気!」と判別できないのも乳幼児期の皮膚トラブルではよくあること」とお医者さんに言われました。
とはいえ親としてはやはり、子供の肌の状態がどの症状(症名)に当てはまるのか、出来る限り把握しておきたいですよね。
ここでは、良く聞かれる症名である「乾燥肌」「乳児湿疹」「乳児脂漏性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」「乾燥性湿疹」の違いについて解説していきます。
わかりやすいように、下記の表にまとめてみました。
簡単に言うと、次のような症状になります。
- 乳児湿疹:乳児期に出る湿疹の総称
- 乾燥肌:症状ではなく、肌の状態を示す言葉。乾燥のため、肌がトラブルを起こしやすい状態に傾いている状態。
- 乾燥性湿疹:皮膚の乾燥によってバリア機能が低下し、衣服との摩擦などによって生じた湿疹。
- 乳児脂漏性皮膚炎:皮脂分泌の盛んな新生児期に起きやすい、黄色いかさぶた状の皮脂の塊。(注:今回の記事は乾燥についての記事のため、脂漏性湿疹についての詳細説明・対処法については割愛しております)
- アトピー性皮膚炎:かゆみを伴う湿疹が繰り返し出現する病気。日本皮膚科学会の診断基準では、乳児の場合、症状が2カ月以上改善しない場合、アトピー性皮膚炎の可能性があるとされている。
脂漏性の湿疹は生後3カ月くらいまでに改善しますが、乾燥性の湿疹は乳幼児期まで続くため、毎日のケアが大切になってきます。
また、ここで困惑しがちなのが、乾燥性湿疹かアトピー性皮膚炎なのか、判断ができない場合だと思います。これらは見た目としては似ているため、医師によってもここの判断は難しく、湿疹の出ている部位(アトピーの場合、肘の内側や膝の裏など)や経過を見るなどして判断していくそうです。なお、アトピー性皮膚炎に関しては成長に従い治ることも多いため、1~2歳の間はアトピーと呼ばず、乳児性湿疹に含めるという見方もあるようです。
このように判別が難しいアトピー性皮膚炎と乾燥性湿疹ですが、基本のケアは同じで、とにかく『清潔・保湿』が一番の鍵になってきます。
次回は、具体的なスキンケア方法(正しい洗い方、正しい保湿方法)をお伝えしていきます。
それでは。本日もお読みくださり、ありがとうございました。