人のせいにしてしまいそうな時──ママの心をふっと軽くするヨガの視点

◇この記事は約6分で読めます

悩む女性

毎日、子育てに仕事にとフル回転。
余裕がない日ほど、誰かの言動が引っかかってイライラしたり、「なんであの人は…」とモヤモヤしてしまう瞬間、ありませんか?

今回はそんなお悩みに、ヨガ哲学の観点から、心がちょっと軽くなるようなヒントをお伝えします。




「なんであの人は…」と感じたときの心の中

たとえば、子どもを迎えに行った保育園で先生のひと言に引っかかったり、夫の一言にカチンときたり。そんなとき、つい「この人がこう言ったから、私の気分が悪くなった」と、相手のせいにしてしまいたくなることがあります。

でもその裏には、本当は自分でも気づいていない、“がんばってるのに報われない”“認めてほしい”という気持ちが潜んでいることも。
そう、イライラの正体は、実は“外”ではなく“内側”にあるのかもしれません。

ヨガでは、外側の世界は内面の写し鏡とも言われます。
だからこそ、誰かを責めたくなったときこそ自分の心の声に耳を澄ませるチャンスなのです。

脳は“自分と他人”を区別できないって本当?

心理学や神経科学の研究では、脳は「自分が発した言葉」と「他人に対する言葉」を厳密には区別していないことがわかっています。

つまり、誰かのことを「なんであの人はいつも遅いの?」と思った時、脳はそれを“自分に向けられた言葉”としても受け取ってしまうのです。

この考え方は、ヨガ哲学の「アドヴァイタ(不二一元論)」にも通じます。
すべてはつながっている、自他の境界は幻想であるという教えです。

だからこそ、外に向けて発した言葉が、ぐるっと巡って自分を傷つけてしまうこともあります。
怒りや批判の言葉は、相手だけでなく、自分自身の内側にも影響を及ぼす。

「人のせいにしたい」と思ったときは、心の奥からのサイン。
「今、ちょっと疲れてるかも」「誰かにわかってほしいのかも」
そんな気持ちに気づくことが第一歩です。

感情の矛先を変える前にできること

ヨガでは、感情を“否定”するのではなく、“観察”することを大切にしています。
怒りや悲しみは悪者ではありません。ただそこに「気づいてほしい」からこそ存在しているだけ。

子育て中のママにとって、感情のアップダウンは日常茶飯事。
でも、イライラのままに言葉を発してしまうと、あとで自己嫌悪に陥ることも…。

そんなときは、まず「一呼吸おく」ことから始めてみてください。

たとえば…

  • 子どもが思うように動いてくれなくてイライラした時
  • パートナーのひと言にカチンときた時

その瞬間、深く吸って、ゆっくり吐く。

たったこれだけで、感情の嵐の中にあっても、自分を“観る”余裕が生まれます。

このプロセスは、ヨガでいう「プラティヤハーラ(感覚の制御)」の実践そのもの。
外に振り回される前に、自分の内側に戻ること。
それが、感情に振り回されないコツでもあります。

相手の背景に想いを馳せてみるということ

不満やイライラの矛先を向けたくなる「誰か」に対して、
その人がどんな人生を歩んできたのか、想像してみたことはありますか?

たとえば、職場の先輩がいつもきつい言い方をするのは、
もしかしたらその人自身が、厳しい環境で育ち、そうしないと自分を守れなかった過去があるのかもしれません。

ヨガの教えでは、「すべての人にはその人なりの“カルマ(業)”がある」とされます。
つまり、今の行動には、その人が背負ってきた背景や物語があるということ。

もちろん、それで不快な思いがなくなるわけではないけれど、
「なぜあの人はあんな言い方をするのか」ではなく、
「どんな物語があったのかな?」と視点を変えるだけで、少し心がゆるむことがあります。

理解しようとすることは、相手のためでもあるけれど、
実は自分の心を軽くするためでもあるのです。

「誰だって幸せになりたくて行動している」という視点

子どもだって、パートナーだって、職場の誰かだって。
どんな人も、「不幸になりたくて行動している人」はいません。

たとえその行動が不器用であっても、誰かを傷つけるものであっても、
根っこには「幸せになりたい」という願いがある

この視点を持つだけで、相手の見え方が少し変わってきます。
そして、「そんな風に感じてしまった自分」さえも責めなくていいと思えるようになるのです。

外に矢印を向けたくなったときは、ほんの少しだけ立ち止まって。
そして、こう問いかけてみてください。

「今、私はどんな気持ちだったのかな?」
「本当は、何を感じてほしかったんだろう?」

そうやって心の奥とつながることが、
ママとして、そしてひとりの人として、しなやかに生きていくヒントになるはずです。

まとめ

人のせいにしたくなったとき。
それは、あなたの中に「わかってほしい」「頑張っている」という想いがあるサインかもしれません。

ヨガは「外の世界ではなく、自分の内側に答えがある」と教えてくれます。

他人の言動に揺さぶられた時こそ、自分と向き合うチャンス。
一呼吸して、やさしく心を見つめてみてください。

あなたの中の静けさに触れることで、
きっとまた、やさしく人と向き合える自分に出会えるはずです。

 

◾️ 秋山裕美|あきやまひろみ
Re:Me Yoga主宰|ヨガ講師|瞑想アドバイザー
Soin Design Candle 代表|キャンドルインストラクター

Re:Me Yoga
== 心の声に気付き、
本来の自分へ還る時間 ==

★ ママの気持ちがふっと軽くなる情報を、SNSにて配信しています。
・Instagram:
https://www.instagram.com/candle.yoga.hiromi/
・Candle Shop:
https://soin-designcandle.com




ABOUTこの記事をかいた人

ヨガ講師(Re:Me Yoga主宰)&キャンドルインストラクター(Soin DesignCandle店主)として活動中の東京都在住、一児の母。 このブログでは、育児に関する情報だけでなく、 毎日頑張っているママさんたちがゆったりと心をほどき、自分らしい子育てを楽しめるよう、ヨガやマインドフルネスの視点からもお役に立てるヒントをお届けしていきます。